■COPDセルフチェック
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、長期間の喫煙などによって引き起こされる、言わば“肺の生活習慣病”です。気管支が炎症を起こしたり、肺胞が破壊されることで肺の機能が低下し、せきやたんが増え、息苦しさが続きます。聞き慣れない病名かもしれませんが、これまで「肺気腫」や「慢性気管支炎」と言われていた肺の病気もCOPDに含まれます(参考:とうきょう健康ステーション「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」)。
■やってみよう! COPDセルフチェック
COPDは40歳以上の喫煙者に多くみられます。「風邪のあとにせきやたんが長引くな」「何だか息苦しいが年齢のせいだろうか」と感じている人は、もしかしたらCOPDかもしれません。まずはセルフチェックをしてみましょう。(参考:東京都福祉保健局「COPD」パンフレット)
① タバコを長期間吸っていますか? もしくは吸っていましたか?
② 1日に何度もせきが出ますか?
③ 階段などですぐに息切れがしますか?
④ 呼吸するとゼイゼイやヒューヒューといった音がしますか?
⑤ 黄色や粘り気のあるたんが出ますか?
⑥ あなたは40歳以上ですか?
たばこを吸っていて(または以前吸っていたことがあって)、いくつかの症状が思い当たる方は、COPDの可能性があります。思い当たる方は医療機関で受診しましょう。
医療機関では、思いきり吐いた息の量や、最初の1秒に吐いた息の量などを測る専用の機器(スパイロメーター)を使って呼吸機能の状態やCOPDの可能性を調べます。
■一番大切な治療は禁煙!
COPDの90%以上は喫煙が原因とされています1)。そのため、まずは禁煙することが何よりの治療になります。現在タバコを吸っている人は、すぐに禁煙を。禁煙する自信がない場合は、医療機関が開設している禁煙外来を利用することも一つの手段です(一定の要件を満たせば保険が適用され、比較的少ない負担で禁煙治療を受けることができます)。
低下してしまった肺の機能を完全に健康な状態に戻すことはできませんが、禁煙や薬物治療などで、これ以上悪化しないようにしたり、症状を和らげたりすることは可能です。気になる症状があれば、早めに医療機関に相談するようにしましょう。
■COPDをもっと知ろう!
日本では現在、530万人を超える人がCOPDであると推計されていますが、広く知られている疾患ではないために、適切な治療を受けているのはわずかに22万人程度と言われています2)。COPDは重症化すると体内の酸素が不足し、呼吸をするだけでも体力を消耗し、酸素を供給するための酸素ボンベが随時必要になるなど、生活の質(QOL)を低下させる要因となります。
とうきょう健康ステーションでは、COPDのパンフレットや、COPDを知るための動画を公開しています。ぜひ正しい知識を身につけ、早期発見・早期治療を心がけましょう。また、家族や周囲の人にも、COPDについて伝えてあげてください。
1)GOLD日本委員会:COPD情報サイト「COPDの原因」
http://www.gold-jac.jp/about_copd/cause.html
2)東京都福祉保健局:パンフレット「せき・たん・息切れ…本当に風邪ですか? COPD 慢性閉塞性肺疾患」
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/kensui/copd/copdpamph.html
1)とうきょう健康ステーション:COPD (慢性閉塞性肺疾患)
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/kensui/copd/index.html
2)東京都福祉保健局:パンフレット「せき・たん・息切れ…本当に風邪ですか? COPD 慢性閉塞性肺疾患」
https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/kensui/copd/copdpamph.html
3)GOLD日本委員会:COPD情報サイト
http://www.gold-jac.jp/
4)結核予防会:COPDをご存知ですか?
http://www.jatahq.org/headquarters/copd.html
このページの担当は 保健政策部 健康推進課 健康推進担当 です。