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Tokyo健康ウオーク2024
開催レポート

コラム2025.1.20

Tokyo健康ウオーク2024のイメージ画像
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2024年11月24日(日)、東京都大腸がん検診普及啓発事業「Tokyo健康ウオーク2024」を開催しました。本イベントは、大腸がんの予防に欠かせない「40歳から年1回の定期的な検診受診」と「運動習慣」の大切さを知っていただくためのウオーキングイベントです。
15回目を迎えた今年は、荒川区の都立汐入公園をスタート・ゴール地点とし、約1,200名が参加しました。澄みわたる青空の下、完歩を目指して歩きました。また、40歳以上の方を対象とした無料の大腸がん検診も実施し、約500名が検体を提出しました。
本イベントのゲストである元サッカー女子日本代表の澤穂希さんに、健康づくりや大腸がん検診の大切さについてお話を伺ったインタビュー記事も掲載しています。 ぜひ、ご覧ください。

イベント当日の様子をお届けします!

ウオーキングコース

今年度のコースは、荒川区内を巡る8kmのロングコースと5kmのショートコースの2種類。各コースにはチェックポイントを設け、クイズに挑戦しながら楽しくゴールを目指しました。

❶ 8kmコース:汐入公園を起点に素盞雄神社を通る景色豊かなコース。
❷ 5kmコース:汐入公園を起点にお子様も一緒に歩きやすい石浜神社を通るコース。

※最寄りの南千住駅から会場までの距離を含む

コースマップ
  • 出発式出発式の写真
  • 素盞雄神社素盞雄神社の写真
  • 石浜神社石浜神社の写真
  • 隅田川沿い隅田川沿いの写真
  • クイズラリーの様子クイズラリーの様子の写真
  • 交通ルールを守ってウオーキング!横断歩道を渡っている写真

参加者の声

参加者イメージ画像1
家族3人で歩きました (60代女性、夫と子どもと3人で参加)

夫婦と一人暮らしをしている娘の3人で楽しく大腸がん検診の大切さを学べて、とても良い時間でしたよ。普段から歩いたり、テニスをしたり、食生活にも気をつかっていますが、今後も続けていきたいです。

参加者イメージ画像2
検診もセットで参加しました (40代女性、夫と子どもと4人で参加)

子育てで忙しく、健康のために割ける時間も少ないですが、Tokyo健康ウオークに参加してウオーキングを満喫できました。セットで大腸がん検診が受けられたのも良かったです。「健康一番」と考えているので、これからも家族で参加したいと思いました。

歩きながら挑戦!大腸がんクイズラリー

コースには大腸がんに関するクイズラリーのチェックポイントがありました。歩きながら学べる内容は、検診の大切さを楽しく理解できると好評でした。以下のクイズに挑戦し、皆さんも大腸がんについて学んでみませんか。

Q1. 早期の大腸がんでよくみられる自覚症状はどれでしょうか?
  • A. 腹痛が起こる
  • B. 便に血が混じる(血便)
  • C. 自覚症状はほとんどない
Q2. 便潜血検査はどのくらいの間隔で受けるのが良いでしょうか?
  • A. 1年に1回
  • B. 3年に1回
  • C. できるだけ頻繁に
Q3. 早期発見のため、国は何歳から大腸がん検診の受診を勧めていますか?
  • A. 20歳
  • B. 40歳
  • C. 60歳
Q4. 検診結果が要精密検査だった場合、どのようにすればよいでしょうか?
  • A. 再度、便潜血検査を受ける
  • B. 経過観察する
  • C. 必ず精密検査を受ける
Q5. 大腸がんを早期に発見し、治療した場合、どのくらいの確率で助かるのでしょうか?
  • A. 95%以上
  • B. 75%
  • C. 50%

※ここでいう「助かる」とは、診断時からの5年相対生存率のことです。

参加者の声

参加者イメージ画像3
大腸がんの知識が深まりました (60代女性、友人と3人で参加)

毎朝のラジオ体操など、健康に気をつけてきたつもりです。大腸がん検診の精密検査を受けたことがなかったので、クイズを通してその部分の知識を深められて良かったです。

参加者イメージ画像4
クイズは全問正解できました! (60代女性、夫と子どもと3人で参加)

普段から情報に意識が向いていたからか、全部正解しました。改めて「早期発見・早期治療で助かるのが95%以上」というのは非常に大きい数字だなと思いました。

ゲストの澤穂希さんが語る「健康と検診の大切さ」

Q. 日々の生活の中で、健康や食生活について特に意識されていることを教えてください。

A. 毎日8~10kmのランニングをしたり、サッカー教室で子どもたちに教えたりと、健康にはかなり気を使っています。また、栄養面にも興味があり、食に関する資格も取得しました。きっかけは、家族の健康をもっと支えたいと思ったことです。特に子どもの成長期には、体を作るうえで「食」の力がとても重要だと実感しました。

澤穂希さんの写真1

Q. 元アスリートとして、ライフステージごとに健康に対する考え方はどのように変化しましたか?

A.20代の頃は、病院や検診に行くことに心理的なハードルを感じていました。でも、体の大切さを改めて実感するにつれ、考え方が変わりました。
特に大きな変化を感じたのは出産後です。体の変化を通じて、健康管理の大切さをより深く理解し、自分の健康が家族の健康にもつながることを意識するようになりました。
また、心の健康も大切だと感じています。若い頃は自分を追い込むことが多かったですが、今はバランスを重視し、日々の健康を丁寧に守ることを心がけています。

澤穂希さんの写真2

Q. 大腸がん検診を受けるようになったきっかけや、周囲に勧めたいポイントを教えてください。

A. 大腸がん検診は40歳を過ぎた頃から毎年受けています。準備が大変なイメージがあるかもしれませんが、慣れるとそれほど大変ではありません。それに、検診は「安心を得るための行動」だと考えていますから、多少の準備はいといません。
大腸がんは早期発見・早期治療できれば95%以上が助かるとされています。一方で、症状が出てからでは手遅れになるケースもあります。だからこそ、早めの検診がとても大事だと思います。ぜひ、家族のためにも定期的に検診を受けてください。

Q. 検診世代の方へのメッセージをお願いします。

A.このイベントをきっかけに、大腸がん検診を受ける方が増えればと願っています。検診は、自分の健康を守るための第一歩です。特に自覚症状がなくても、検診を受けることで得られる安心感はとても大きいものです。
ぜひ、ご自身のため、そして大切なご家族のために、一歩踏み出して検診を受けてください。

大腸がん検診の大切さを学べる動画の視聴

参加者の皆さんに、大腸がん検診の大切さや大腸がん検診について学べるクイズ形式の動画をご覧いただきました。動画の一部内容をご紹介いたします。

大腸がんとは?

大腸がんは、大腸の内側(粘膜)に発生するがんで、大部分は良性のポリープががん化してできると考えられています。日本人の場合、直腸やS状結腸にがんができやすく、大腸がんのおよそ7割を占めています。

大腸内のがん発生箇所を示す図

クイズ① 数字で見る大腸がん

Q. 東京都の女性のがん死亡者数のうち、大腸がんの死亡者数は何位でしょうか?
  • ① 1位
  • ② 2位
  • ③ 3位

東京都のがん死亡者数のうち、大腸がんを原因とするものは男性が第2位、女性は第1位。男女合わせて、年間4,700人以上の方が大腸がんで亡くなっています。
大腸がんにかかる人は男女共に40歳くらいから増え始め、高齢になるにつれて罹患率が高くなっていきます。

東京都のがん死亡者数と大腸がん罹患率の画像

クイズ② 便潜血検査について

Q. 便潜血検査の正しい便の取り方はどちらでしょう?
  • ① 採べん棒で便の一部を突き刺す
  • ② 採べん棒で便の表面全体をこする

大腸がん検診は、40歳以上で、腹痛や出血など大腸がんに関連する症状がない健康な方を対象に、医師による「問診」と「便潜血検査」を行ないます。受診間隔は、日本では1年に1回が推奨されています。検査後2週間くらいで、「異常なし」か、「要精密検査」の結果が通知されます。
便潜血検査は、便に血液が混じってないかをチェックする検査です。がんが早期のうちは出血は微量で、目に見えることはほぼありませんが、大腸の奥の方にがんがあると便の全体に混じっていることが多く、一方、直腸に近いところにできたがんでは便の表面にだけ付着していることが多いです。そのため、採べん棒で便の表面全体を調べることが大切です。

便潜血検査の画像

採べん容器は、提出まで冷暗所(冷蔵庫)で保管しますが、容器は密閉されているので、周囲を汚す心配はありません。

大腸がん検診のメリット・デメリットを知っておこう!

メリットは、早期発見や早期治療により、がんで死亡するリスクを確実に減らすことができること、からだに負担の少ない方法で治療できること。デメリットは、「偽陽性(がんではないのに、がんの疑いがあると判定されること)」、「偽陰性(小さいがんや見つけにくいがんを見落としてしまうこと)」です。
都内の区市町村では、メリットがデメリットを上回り、デメリットの最小化を目指した検診を実施していますが、がん検診のメリット・デメリットを知ったうえで、国が推奨している回数や条件で、定期的にがん検診を知っておくことも大切です。

メリット 早期発見・早期治療により、がんで死亡するリスクを確実に減らすことができる からだに負担が少ない治療方法で済ませることができる デメリット がんではないのに誤ってがんの疑いと判定されてしまう(偽陽性) ・検診を受ける回数が増えると、偽陽性の割合が増える ・検診回数を増やしても効果が大きくなることはほとんどない →回数を増やすのではなく年1回を守って受けることが大切 がんがあるのにみつからない場合もある(偽陰性) →症状が出た時は必ず病院を受診することが大切

「要精密検査」だった場合は…

「要精密検査」だった場合は、必ず精密検査を受けてください。精密検査は「全大腸内視鏡検査」を行ないます。肛門から内視鏡を入れて、腸内に異常がないか詳しく検査をします。

全大腸内視鏡検査のイメージ画像

クイズ③ 大腸がんの予防に大切なこと

Q. 大腸がんを予防するために良いと言われているものはどれでしょう?
  • ① 適度な運動
  • ② バランスの良い食事
  • ③ 適正体重の維持

ウオーキングを含め、運動は大腸がん予防に効果があることが証明されています。週2〜3日以上の適度な運動は大腸がんだけでなく、さまざまな病気の予防に効果的です。また、バランスの良い食事、適正体重の維持などの生活習慣の改善も大腸がんをはじめがん全般の予防に効果があることが分かっています。

参加者(視聴者)の声

参加者イメージ画像5
動画で初めて知ることもたくさん (60代女性 友人と2名で参加)

動画で知ったことも多く、便潜血検査は受ければ受けるほどいいというわけではなくて、年1回が適切だというのは初めて知りました。色々なリスクが上がってきている年代なので、動画を見ることで検診への意識がより一層高まったように感じます。

参加者イメージ画像6
自分の習慣が正しかったと動画で再認識 (50代女性、友人と2人で参加)

大腸がん検診について知っているようで知らないことも多く、詳しく学べて良かったです。定期的に大腸がん検診は受けて、運動も心がけ、食事や体重も気をつけていますが、動画で改めてそれが正しかったと確認できて良かったです。

<大腸がんのこと> へはこちら

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