乳がん検診は40歳から推奨されています。
国は、がんによる死亡率が減少する効果が認められている乳がん検診として、40歳から2年に1回、問診とマンモグラフィ検査(乳房エックス線検査)を推奨しています。
問診、マンモグラフィ検査については<Check 5 40歳からの乳がん検診はどんな検査?>をご参照ください
乳がん検診は基本的に症状がない人に行うものです。
このため、検診によるデメリットを可能な限り小さくする必要があり、メリットがデメリットを上回る検査方法がマンモグラフィ検査です。マンモグラフィ検査は、対象年齢、受診間隔が決められており、これを守らないとデメリットが大きくなると言われています。
乳がん検診にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
メリット
- ①早期発見により命を守る
- ②乳がんが早期に見つかることで、治療の負担が軽くなる
- ③乳がんでないことが確かめられ安心できる
デメリット
- ①マンモグラフィによる放射線被ばく
- ②乳がんでないにもかかわらず、要精密検査となり、受ける必要のない検査を受けなければならないことがある(偽陽性)
- ③乳がんが100%みつかるわけではない(偽陰性)
- ④生命に影響しない程度の乳がんが発見され、治療されることがある(過剰診断)
40歳未満の方の乳がんの早期発見のためには、普段から自分の乳房のチェックを行い、変化や何かおかしいなと感じることがあれば、すぐに専門の医療機関を受診することが大切です。
ただし、遺伝的に乳がんの発症リスクの高い人がいることがわかっています。
遺伝的に乳がんの発症リスクが高い人は、遺伝相談(遺伝カウンセリング)を行っている医療機関を受診し、必要に応じて検査を受けることをおすすめします。
<遺伝性乳がんの可能性のある人>
- ・本人または血縁者が40歳未満で乳がんに罹った
- ・血縁者に卵巣がん(卵管がん・腹膜がん含む)に罹った人がいる
- ・本人または血縁者が2つの乳がんまたは乳がんと卵巣がんに罹った
- ・血縁者にトリプルネガティブ※の乳がんにかかった人がいる
- ・血縁者に遺伝性乳がんの遺伝子(BRCA)の変異が確認された など
※トリプルネガティブの乳がんとは、がん細胞の表面にER、PRと呼ばれるホルモン受容体もHER2と呼ばれるタンパク質も存在しないタイプの乳がんです。
詳しくは、日本乳癌学会の「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」をご確認ください。