2023年2月時点
東京都の島しょ地域とは
約2万4千人が暮らす11の島
東京都には全域が国立公園内となる伊豆諸島・小笠原諸島に属し一般住民が居住する11の有人島があり、2町7村に約2万4千人が暮らしています。東京から一番近い伊豆諸島の大島まで約100km、小笠原諸島の父島までは約1,000kmあり、日本の領海の約12%、排他的経済水域の約38%という広大な海域がこの地域によって確保されています。本土からの交通手段は、大型客船が全島に就航しているほか、島によって高速ジェット船や小型旅客機なども就航しており、意外と交通の便はいいです。世界自然遺産の小笠原諸島のみ6日に1往復の船便だけが頼りですが、日本の最南端と最東端は東京都の小笠原村にあるというのはご存じですか。島の人口は約160人~7,000人とかなり違いがありますが、どの島にも医療機関が整備され無医村はありません。

島しょ保健所の特徴
豊かな自然の中で、地域全体を見渡し、
島の医療を支える。
広大な東京の島しょ地域を所管するのが島しょ保健所です。所在地は新宿ですが、大島・三宅島・八丈島・小笠原父島の4島に出張所がありそれぞれに医師が配置されているほか、新島・神津島にも支所があります。医師の他に保健師、診療放射線技師、臨床検査技師、栄養士、獣医師、食品監視員、環境監視員と様々な専門職により、小さいながらも保健所の全ての業務を行い、島の保健衛生を支えています。小さなコミュニティの中にいるので、住民や地元行政関係者などとの距離がとても近く、管轄内の事業所などを一つ一つ把握した上で、きめ細かいサービスができることが大都市部の保健所との大きな違いです。地域内には高度医療を行っている医療機関はないのですが、顔が見える関係の中、診療所などの臨床の先生方とも感染症や精神疾患の1例1例について詳しく意見交換をしながら連携して対応します。豊かな自然の中で生活しながら、歯車になることなく地域全体を見渡して仕事ができることが最大の魅力です。

PROFILE
趣味:アウトドア、家庭菜園、ジョギング