夏休みも近い7月のある夕暮れ。クラブ活動に汗を流し、お腹をすかせて帰ってきたS君。その日も夕食の準備をしていたおばあさんが、勝手口のちょっとした段差につまずいて転倒してしまいました。
驚いて駆け寄るS君と妹。おばあさんは意識こそしっかりしていましたが、足を痛がり立ち上がれません。「どうしたらいいんだ!?」混乱しながらS君は、両親を呼びに妹を走らせ、自らは思わず電話の受話器を握っていました。
高齢者が、転倒して起き上がれなくなったときの、最も多い原因は骨折、特に大腿骨の骨折とされています。骨折が疑わしいときは、骨折したものとして手当をします。
骨折すると体内で出血が起こって「ショック」状態になることがあり、命が危険にさらされます。特に大腿骨骨折は要注意。速やかに救急車を呼んで、状態を注意深く観察。
まずは・・・どんな状態かを聞く
次に・・・大腿骨骨折と判断、すぐに救急車を呼ぶ
それから・・・救急車が来るまで、状態を注意深く観察
急に倒れたときのために、心肺蘇生(普段通りの呼吸がなかったら胸骨圧迫→ 人工呼吸→AED〈自動体外式除細動器〉の実施など一連の手順による生命を維持する方法)を覚えておくとよいでしょう。
公益財団法人東京防災救急協会や地域の消防署などで講習を行っています。
緊急と思ったら119番にかけ、救急車を呼んでください。そのときに、主に次のことを聞かれますので、あらかじめ確認しておきましょう。
迷ったら「#7119」にお電話を!
「東京消防庁救急相談センター」では、医師・看護師・救急隊経験者等の相談医療チームが24時間体制で適切なアドバイスを行っています。急な病気やケガの際に迷ったときなどに利用しましょう。
迷ったら…
●電話番号(プッシュ回線・携帯電話の場合)
#7119(24時間・365日受付)
●ダイヤル回線やつながらない地域の場合
23 区 03-3212-2323
多摩地区 042-521-2323
#7119に相談した結果
救急車を本当に必要とする人のために、救急車の適切な利用にご協力ください。
民間会社の有料搬送サービスです。
救急車を呼ぶほどでもないが医療機関に連れて行きたいとき、退院・通院・転院のときなどに利用できます。
東京民間救急コールセンター
電話(ナビダイヤル)
0570-039-099または、
03-3262-0039(ナビダイヤルにつながらない場合)
公益財団法人東京防災救急協会ホームページ「東京民間救急コールセンター」
東京都医療機関案内サービス「ひまわり」等に電話・医療情報ネット(ナビイ)にアクセス
・東京都医療機関案内サービス「ひまわり」
03-5272-0303(毎日24時間)
・医療情報ネット(ナビイ)
医療情報ネット(ナビイ)
・救急病院案内
東京消防庁ホームページ「救急病院案内」
東京都の救急医療体制は、次の3つに整備され、それぞれが連携しながら行っています。
●初期救急医療
入院を必要としない急病患者に対する医療。
区市町村の広報誌に、休日等の当番医等として掲載されます。こまめにチェックしておきましょう。
●二次救急医療
入院を要する中・重症患者に対する医療。
「救急病院」などと呼ばれる医療機関です。
●三次救急医療
生命の危機が切迫している重傷・重篤患者に対する医療。