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牛海綿状脳症(BSE)とは?
牛海綿状脳症(BSE)は、伝達性海綿状脳症(TSE)の一種
TSEはプリオン病とも呼ばれ、異常プリオン(感染性蛋白質)が神経組織等に蓄積する伝染病です。プリオンが原因とされる疾患には、BSEのほかに、羊・山羊のスクレイピー、鹿慢性消耗病(CWD)が含まれ、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)も類似の疾病です。
TSEに共通する特徴として、
- 潜伏期間が、数ヶ月から数年の長期間にわたる。
- 病理学的に、中枢神経系の神経細胞がスポンジ状に空胞変性を起こす疾患。
- 進行性、致死性の神経系疾患。
であることが挙げられます。
TSEに罹患した動物やヒトの脳には、異常プリオンが確認されますが、ヒトや動物での特異的な免疫反応がなく炎症等が起こらないことも特徴です。
BSEの特徴

TSEのうち、牛で感染が確認されているのがBSEです。BSEは、感染していても症状を示さない「潜伏期間」があり、3〜7年程度といわれています。
BSEを発症した牛は、神経過敏、攻撃的あるいは沈鬱状態となり、泌乳量の減少、食欲減退などにより消耗し、最終的に死に至ります。
予防法、治療法は、いまだ開発されていません。
BSEの原因
BSEは、脳に異常プリオンが蓄積することが原因で起こると言われています。このことは、最初にBSEが発生したイギリス等の調査・研究によって示されています。プリオンは、他の感染症のように空気や飛沫により感染するものではありません。したがって、鶏インフルエンザのように、群れの中で爆発的に広がったり、集団発生するような感染症ではありません。
BSE感染の拡大はどのように起こったか?

原因は、牛に、異常プリオンで汚染された肉骨粉を食べさせたことだと考えられています。
肉骨粉とは、家畜を処理する際に出るクズ肉、骨、内臓、血液等を加熱処理し、乾燥させて粉末にしたもので、豚や鶏のエサ、農作物用の肥料などとして以前から使用されていました。通常、肉骨粉は加熱処理される段階で完全に殺菌されるため、環境汚染を防止し、衛生的に廃棄するための加工技術としても意味のあるものでした。欧米では、牛乳生産を高めたり、体重増加を図る安価な方法として、本来、草食動物である牛にも、動物性蛋白である肉骨粉を与えていたといいます。
しかし、このような、反すう動物の再利用のサイクルの中で、何らかの理由でBSEに感染した家畜由来の異常プリオンが処理され肉骨粉となり、飼料に混入してしまったことが、BSE大流行の引き金となりました。プリオンは、加熱処理や化学殺菌などの処理にも抵抗性があるので、飼料を製造する工程を経ても、感染力がなくなりません。
また、異常プリオンに汚染された飼料を食べて育った牛は、すぐには症状を示さないので、発見される前にと畜され、再び肉骨粉となって別の牛の餌となり、感染は世界中に拡大してしまいました。
▼ 関連ページ
- 牛海綿状脳症(BSE)について(厚生労働省)
- 牛海綿状脳症(BSE)等に関するQ&A(厚生労働省)
- 牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しに関する意見交換会資料(2016.12.20,22)(厚生労働省)
- 牛海綿状脳症(BSE)関係(農林水産省)
- 疾病情報 牛海綿状脳症(BSE) (国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門)
- BSEに関する情報(食品安全委員会)
- 芝浦食肉衛生検査所
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