人獣共通感染症対策(動物由来感染症対策)
東京都では、人獣共通感染症(動物由来感染症)の予防・拡大防止に向け、動物等のモニタリングや調査研究、人や動物で発生した場合の体制整備、都民向けの情報提供などに取り組んでいます。
- ・動物由来感染症検討会
- ・人獣共通感染症対策(相談・検査・医療体制の構築)
- ・感染症媒介蚊対策
- ・家禽に関する鳥インフルエンザ対策
- ・野鳥に関する鳥インフルエンザ情報の発信等
- ・動物由来の病原細菌および薬剤耐性菌の遺伝子解析
- ・都内つつが虫病病原体の分子疫学解析とダニ媒介感染症の検査系整備
動物由来感染症検討会
〇動物由来感染症検討会
動物由来感染症検討会は、動物由来感染症の調査、研究、対策を進めるための会議です。動物由来感染症調査事業計画の立案及び調査結果の分析等について提言を得るため設置(H11.8)しました。動物由来感染症の情報収集及び分析のため、以下について検討しています。
- (a)動物由来感染症調査・研究事業の進め方
- (b)動物由来感染症調査結果の分析と評価
- (c)動物由来感染症調査結果の活用
- (d)その他の動物由来感染症調査に関すること
〇動物取扱業飼養動物における動物由来感染症起因菌等保有状況調査
- 東京都では、動物取扱業(主に販売業)で飼養している動物について、ふん便及び被毛を検体として動物由来感染症起因菌等の保有状況調査を実施しています。
- 病原体が検出された場合は、動物取扱業者に対し、動物の隔離や施設の消毒等による感染防止対策、糞便等の速やかな処理及び手袋の使用、動物を触った後の手洗い・うがい等、衛生管理に努めるように指導を実施しています。病原体が検出された動物については、かかりつけの獣医師等に相談し、治療等の指示を仰ぐように助言しています。
保健医療局
〇動物病院における動物由来感染症モニタリング調査
- 平成21年度からは、都内の動物病院(20ヶ所)に来院した犬及び猫のうち、月ごとの診断頭数及び調査対象とした動物由来感染症に感染していると診断された頭数を調査しています。
- 動物由来感染症に感染していると診断された動物については、動物病院から当該動物の飼養者に対してその取扱い等について助言するとともに治療等が実施されています。
保健医療局
動物病院における動物由来感染症モニタリング事業
人獣共通感染症対策(相談・検査・医療体制の構築)
〇人獣共通感染症対策
- 高病原性鳥インフルエンザ等、注意するべき人獣共通感染症が発生した場合に備え、都は都内における相談・検査・医療体制を構築しています。
- 東京iCDCでは、エムポックス患者の国内での発生に備えて、令和4年7月にワンヘルス・アプローチ推進タスクフォースを設置しました。エムポックス等、注意するべき人獣共通感染症に関し、国内外の最新の情報や知見に基づき、都の対応へ助言を行っています。
東京iCDC
感染症媒介蚊対策
〇感染症媒介蚊対策
- 近年、輸送手段の発達等により、感染症流行地域から我が国へ、人や物資等を介した病原体の侵入により、デング熱等の蚊が媒介する感染症の流行が懸念されています。
- また、地球温暖化や都市のヒートアイランド現象等によって、感染症を媒介する蚊の生息域が拡大しています。
- 東京都では、蚊が媒介する感染症をまん延させないため、調査監視や普及啓発事業を実施しています。
蚊の発生防止強化月間ポスター
家禽に関する鳥インフルエンザ対策
〇鳥インフルエンザ対策
- 鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスが引き起こす鳥の病気で、家畜伝染病予防法では、鶏等に対する病原性やウイルスの型によって、「高病原性鳥インフルエンザ」等に区分されています。
- 養鶏場等で高病原性鳥インフルエンザ等が発生した場合、法に基づき、殺処分など必要な防疫措置を実施します。
- 都では、養鶏場に対して、早期発見のためのモニタリング検査を実施するとともに、発生予防のため、飼養衛生管理基準の遵守指導や病原体の農場への侵入を防止するための設備(防鳥ネット等)設置に対して支援を行っています。
- また、防疫演習や防疫資材の備蓄等により、万が一の発生に備える取組を行っています。
防疫演習の様子
補助事業により鶏舎に設置した防鳥ネット
野鳥に関する鳥インフルエンザ情報の発信等
〇野鳥に関する鳥インフルエンザ情報の発信等
- 「高病原性鳥インフルエンザ」について、ホームページにて都民へ正確な情報をわかりやすく発信をしています。
- 感染疑いのある野鳥が発見された場合は、早期警戒期間の簡易検査や環境省への遺伝子検査依頼等を実施し、高病原性鳥インフルエンザ感染が確認された場合は、環境省が指定した「野鳥監視重点区域」において、野鳥の監視を強化する等の対応を実施しています。
動物由来の病原細菌および薬剤耐性菌の遺伝子解析
〇動物由来の病原細菌および薬剤耐性菌の遺伝子解析
ヒトの社会環境の変化や行動の多様化に伴い、動物とヒトとの接点が増加し、動物由来病原体の脅威は増大しています。また、ヒトの臨床上深刻な脅威となっている薬剤耐性菌はヒトと動物間の伝播が重要とされており、動物における耐性状況の把握の重要性が増しています。薬剤耐性菌はプラスミドの他に、複数の遺伝因子が耐性獲得に関わる場合が知られており、こうした遺伝子の構造を解析するには、従来の手法に加えて、遺伝情報全体を俯瞰できる次世代シークエンサーを用いたゲノム解析を行うことが有用です。
本研究では、ペットや家畜などの動物から分離された病原細菌について、ゲノム解析を含めた遺伝子解析を実施することで、病原性・薬剤耐性に関わる遺伝学的な特徴を解析することを目的とし、研究を行っています。
保健医療局
都内つつが虫病病原体の分子疫学解析とダニ媒介感染症の検査系整備
〇都内つつが虫病病原体の分子疫学解析とダニ媒介感染症の検査系の整備に関する研究
つつが虫病は、Orientia tsutsugamushi(O.tsutsugamushi)を病原体とするリケッチア症で、ダニ目ツツガムシ科のダニによって媒介される疾患です。つつが虫病は4類感染症に指定されており、積極的疫学調査事業の一環で調査を行っています。
本研究では、都内で検出されたO.tsutsugamushiなどの遺伝子学的特徴を明らかにすること、ダニ媒介性感染症検査系の整備を行い発生に備えることを目的として実施しています。
保健医療局