ほっとけないぞ!CKD 慢性腎臓病
メタボが腎臓にもよくないってホント?
※メタボ(=メタボリックシンドローム)と慢性腎臓病は違う病気です

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CKD(慢性腎臓病)とは

関連情報

B進行するとどうなるの?

CKDの重症度は、原疾患・蛋白尿区分・GFR(eGFR)区分を組み合わせて評価します。

重症度分類表

※重症度は死亡、末期腎不全、心血管死亡発症のリスクを緑のステージを基準に、黄、オレンジ、赤の順にステージが上昇するほどリスクは上昇する。(KDIGO CKD guideline 2012を日本人用に改変)

(日本腎臓学会編. CKD診療ガイド2024,東京医学社,2024.より 一部改変)

ステージG1、G2

GFR(eGFR)は正常範囲なのに、尿中に蛋白やアルブミンが出ていて、腎臓に軽い障害がある段階です。何が原因で腎臓の働きが弱っているのかを調べた上で、その原因を取り除く必要があります。糖尿病や高血圧などの生活習慣病関連の病気が原因の場合、生活習慣を改善していくことが進行を予防するために大切です。

専門医からのアドバイス

このステージの場合、糸球体腎炎など腎臓専門医による精密検査が必要な病気の場合があります。また、糖尿病や高血圧など、メタボリックシンドロームとの関連が深いと考えられる場合には、まずは禁煙、減量、運動、食事での塩分とカロリー制限などの生活習慣の改善が勧められます。栄養士による食事指導や生活習慣の改善が進行を抑えるためには大切です。

ステージG3

G3aではeGFRの軽度〜中等度低下、G3bでは中等度〜高度低下がみられます。腎臓の機能がさらに低下すると、夜間多尿(夜間に何回も排尿に起きる)、貧血、血圧上昇、むくみ等の症状が生じてくる可能性があります。このステージでも、不健康な生活習慣を改め、適切に治療を行えば腎機能低下の進行を防げる場合があります。

専門医からのアドバイス

5段階のステージの中で、最も患者さんが多いのがこのステージ3だとされています。また、加齢に伴う変化でこのステージになった方も少なくないとの見方もあります。腎機能悪化の原因をコントロールすると同時に、血圧や血糖の管理など、さらなる腎機能の悪化を防ぐ治療を受ける必要があります。

ステージG4,G5

残っている腎臓の機能がさらに低下し、むくみなど、全身に症状が出てくることがあります。食事で摂るタンパク質の取りすぎに注意し、十分な血糖・血圧の管理に加えて、貧血や電解質異常の治療薬が必要になる場合があります。さらに腎機能が悪化すれば、透析や移植の準備も必要となりますので、腎臓専門医の診察を受け、治療方針をよく聞きましょう。ステージG5では、日常生活にも制約が必要な場合があります。

専門医からのアドバイス

この時期には、食事や日常生活も必要に応じて制限されてきます。心臓病、脳卒中などの合併症に注意し、可能な限り腎機能が維持されるように、指示された食事、運動などの生活上の注意点を守り、お薬をきちんと飲みながら、無理をせず治療を続けていきましょう。

※:尿中アルブミン

尿試験紙法で尿蛋白が陰性でも、安心は禁物です。なぜなら、尿試験紙では検出されないわずかな量のアルブミン(蛋白質の一種)が尿中にもれている場合があるからです。これを「微量アルブミン尿」と言い、糖尿病による腎障害は微量アルブミン尿の出現によって検出されることが多いため、その測定は早期診断に不可欠です。この時期にいくつかの治療を組み合わせて行うと、微量アルブミン尿を正常なところまで減らす(なくす)ことができます*。
微量アルブミン尿の状態で数年間放置していると、漏れ出すアルブミンの量が増えて、「顕性アルブミン尿」となります* 。尿にアルブミンが漏れ出ている糖尿病患者さんは、進行すると腎臓の機能が低下したり、脳卒中や虚血性心疾患になりやすいことが知られています 。

(*日本腎臓学会編、患者さんとご家族のためのCKD療養ガイド2024、東京医学社、2024より)

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