監修:久保 明(医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐/日本臨床栄養協会副理事長/医学博士)
「ちょっと高め」(※1)だった血糖値から「かなり高い」血糖値が続くようになると、糖尿病になっている可能性が高いのです。糖尿病は血管を老化させ、動脈硬化や合併症を引き起こしたり、心臓病や脳卒中の原因になります(※2)。予防・改善のためには、規則正しい食習慣が大切。以下の点に注意するよう、習慣づけましょう。
※1 HbA1c 5.6%以上6.5%未満、空腹時血糖 100mg/dL以上126㎎/dL未満
※2 https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/kensui/tonyo/diabetes.html
・毎日三食バランスよく適量の食事をとる(※3)
・早めに起きて朝ご飯を食べ、いきいきと動ける体に。
・夕食を食べ過ぎると、寝るまでにエネルギーを消費しきれず、脂肪に代わるので控えめに。
・間食や嗜好飲料・アルコールのとり過ぎは肥満や高血糖のもと。無糖のお茶やコーヒー、ミネラルウォーターなどがおススメ。
・野菜はたっぷり、食事のたびに食べよう。1日小皿5つが目安。
・揚げ物や炒め物など、油をたっぷり使った食品は、1日1品か2品まで。
・油を使った食事をとるなら、エネルギー消費しやすい昼食で。
・主菜は魚・肉・卵・大豆製品など、1日の中で種類を変えて選ぼう。
・食べ過ぎた翌日はいつもより食べる量を少し控えめに。1週間平均で調整を。
※3 https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/kensui/ei_syo/index.html
・野菜料理でも、ドレッシング、マヨネーズ、バターなどの油脂はなるべく控えて。
・味の濃い食品は食が進みがち。濃い味付けのおかずは1品に絞り、そのほかは薄味に。
・「ながら食べ」は食べ過ぎのもと。食事は味わいながら、ゆっくり食べよう。
・よく噛んで食べると、満腹感を得やすい。
・野菜など、食物繊維の多い食品を先に食べると、胃の中で膨張して満腹感を感じやすい。
・一度にたくさん食べると血糖値が急激に上下し、下がるときに空腹感を感じやすいので注意!
・夕食が遅くなるときは、おにぎりなどの主食を職場や外出先で食べ、帰ってから軽くおかずを食べよう。
夜は消費するエネルギー量が少ないため、余った分が脂肪に代わって肥満になったり、高血糖の原因になったりしやすいので、夜遅い食事はできるだけ避けましょう。どうしてもお腹がすいて眠れない場合は、以下のような食品から選んでください。
・果物⇒果糖は肝臓で代謝されるためインスリンを必要とせず、血糖値が上がりにくいとされている。
例)ブルーベリー/りんご/ぶどう・レーズン/梨/バナナ/グレープフルーツ など
・ナッツ(無塩)⇒食物繊維が豊富なうえ噛む回数が増え、満腹感を得やすい。エネルギー量が高めなので食べ過ぎに注意。
例)くるみ/アーモンド/カシューナッツ など
・薄味の煮物⇒いつでも食べられる常備菜に。小分けにして冷凍すると使いやすい。
例)切り干し大根・大根・ひじき・きのこ・玉ねぎ・こんにゃくなどがおススメ(イモ類など血糖値が上がりやすい食品はNG)
・プレーンの胚芽のビスケットやクラッカー(1枚のエネルギー量が明記されており、どのくらいのエネルギー量をとったか確認できるもの)⇒食物繊維が豊富。
・トリプトファンを多く含む食品⇒体内で睡眠ホルモン(メラトニン)に代わるためよく眠れるといわれている。
例)キウイフルーツ/アボカド/乳製品(ホットミルクや無糖ヨーグルト)/大豆製品 など
注意! 夕食までにとった食品が1日の適量(※3)を満たしている場合、夜食をとるとエネルギーオーバーに。翌日食べる食品の調理の仕方や量に配慮を。
・血糖値が上がりやすい食品⇒おにぎり(白米)/パン/麺類/イモ類/お菓子(甘いお菓子だけでなくおせんべいやスナックなども)、甘い飲み物 など
・眠りの質を悪くするもの⇒脂っこい食品(寝ている最中も胃腸が働き続ける)/刺激物(体をほてらせ、眠りを妨げる)/アルコール(眠りが浅くなり熟睡できない)/カフェイン入り飲料(覚醒作用があり、眠りにくい)
このページの担当は 保健政策部 健康推進課 健康推進担当 です。