脳卒中や心臓病により医療や介護が必要となっても、自宅で生活される方は多くいらっしゃいます。自宅で医療や介護サービスを受けながら療養生活をおくることを「在宅療養」と言います。
お住いの自治体では、住み慣れた自宅で安心して暮らし続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的・継続的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の確立を目指し、在宅療養体制を構築しています。
脳卒中、心臓・血管病は、急性発症し、麻痺などの後遺症が残ったり、食事や運動に制限が加わるなど、入院前とは生活が大きく変化します。
入院中に、病院の相談窓口やお住いの自治体の地域包括支援センターなどに相談し、介護申請の手続きや、退院に向けた具体的な準備を進めましょう。
地域包括支援センターでは、介護や生活支援等、地域生活全般に関する相談を受け、さまざまなサービスや地域のネットワークを活用して、適切な支援を受けられるようコーディネートしています。
地域包括支援センターの一覧
脳卒中や心臓病により、後遺症が残る場合、入院前とは状況が異なるため、身体の回復状況、退院後の介護者の有無などを踏まえ、早めのうちから準備をしておきましょう。
利用できる制度や窓口は患者さんの後遺症や年齢などによって異なります。まずは、ご本人、ご家族と医療スタッフ間で、今の体の回復状況を確認し、自宅退院後の生活や復職などに向けた課題を話し合いましょう。
【事例】退院の準備は早めから!ひとり暮らしの方の退院準備編
参考動画【脳卒中で入院した方・ご家族にお伝えしたいこと】第3部 自宅退院に向けて(日本脳卒中協会)
介護保険は、介護が必要になっても高齢者が地域で安心して暮らしていけることを目指すとともに、いつまでも自立した生活が送れるよう支援する制度です。
全国共通の介護保険サービスと、市区町村が独自に行う介護予防・生活支援サービスがあります。
65歳以上で介護が必要と認められた方と、医療保険加入者で40~64歳で介護保険の対象となる病気(加齢による心身の変化に伴う16の特定疾病)が原因で介護が必要と認められた方が、介護保険サービスを利用できます。
お住いの自治体の地域包括支援センターにお問い合わせください。
介護保険制度について
介護保険の相談窓口
障害福祉サービス等について
通院が難しくなったときや退院後、自宅や施設において医療を受けられます。
在宅医療では、医師の指示のもと、それぞれの専門知識をもつ医療職が連携し、あなたの自宅等を訪問することで、専門的サービスを受けられます。
訪問診療
通院が困難な方のご自宅に医師が訪問し、診療を行います。
訪問歯科診療・訪問歯科衛生指導
通院が困難な方のご自宅に歯科医師・歯科衛生士が訪問し、歯の治療やいればの調整等を通じて食事を噛んで飲み込めるような支援を行います。
訪問看護
看護師等がご自宅に訪問し、安心感のある生活を営めるよう処置や療養中の世話等を行います。
訪問薬剤管理
通院が困難な方のご自宅に薬剤師が訪問し、薬の飲み方や組み合わせ等の確認・管理・説明等を行います。
訪問によるリハビリテーション
通院が困難な方のご自宅に理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問し、運動機能や日常生活で必要な動作を行えるように、訓練や家屋の適切な改造の指導等を行います。
リハビリテーションについて
訪問栄養食事指導
管理栄養士がご自宅に訪問し、病状や食事の状況、栄養状態や生活の週間に適した食事等の栄養管理の指導を行います。
<参考動画>
「最期まで自分らしく暮らす~在宅療養のすすめ~」
脳卒中の後遺症や末期がんなどで長期の療養が必要になったとき、あなたは自宅で療養を続けたいと思いますか。あなたが希望をすれば、医療や介護の専門職がチームとなって、あなたの在宅療養を支えるしくみがあります。
ショートバージョン
ロング・バージョン
「住み慣れた街でいつまでも-多職種連携のためのヒント集と事例集-」について
<監修>
迫村 泰成(牛込台さこむら内科院長)